離乳食の進め方について、厚生労働省が具体的な目安を1995年に出しています。
アトピーなどの問題、食生活の著しい変化を考慮して作られています。
◆ 離乳食の進め方の目安:離乳初期(5〜6か月)
離乳食の回数 1→2
母乳・育児用ミルクの回数 4→3
調理形態 ドロドロ状
1回あたりの量 1.穀類 つぶしがゆ30→40
1回あたりの量 2.卵(個) 卵黄2/3以下
または豆腐25g、
または乳製品55g、
または魚5→10g
1回あたりの量 3.野菜・果物(g) 15→20
1回あたりの量 調理用油脂類・砂糖(g) 各0→1
◆ 離乳食の進め方の目安:離乳中期(7〜8か月)
離乳食の回数 2
母乳・育児用ミルクの回数 3
調理形態 舌でつぶせる固さ
1回あたりの量 1.穀類 全がゆ50→80
1回あたりの量 2.卵(個) 卵黄1→全卵1/2、
または豆腐40→50g、
または乳製品85→100g、
または魚13→15g、
または肉10→15g
1回あたりの量 3.野菜・果物(g) 25
1回あたりの量 調理用油脂類・砂糖(g) 各2→2.5
◆ 離乳食の進め方の目安:離乳後期(9〜11か月)
離乳食の回数 3
母乳・育児用ミルクの回数 2
調理形態 歯茎で潰せる固さ
1回あたりの量 1.穀類 全がゆ(90→100)→軟飯80
1回あたりの量 2.卵(個) 全卵1/2、
または豆腐50g、
または乳製品100g、
または魚15g、
または肉18g
1回あたりの量 3.野菜・果物(g) 30→40
1回あたりの量 調理用油脂類・砂糖(g) 各3
◆ 離乳食の進め方の目安:離乳完了期(12〜15か月)
離乳食の回数 3
母乳・育児用ミルクの回数 *牛乳やミルクを1日300〜400ml
調理形態 歯茎で噛める固さ
1回あたりの量 1.穀類 軟飯90→ご飯80
1回あたりの量 2.卵(個) 全卵1/2→2/3、
または豆腐50→55g、
または乳製品100→120g、
または魚15→18g、
または肉18→20g
1回あたりの量 3.野菜・果物(g) 40→50
1回あたりの量 調理用油脂類・砂糖(g) 各4
注:
1. 上記に示す食品の量などは目安である。
なお、表中の矢印は当該期間中の初めから終わりへの変化(例えば、離乳初期の離乳食 1→2は5ヶ月では1回、6ヶ月では2回)を示す。
2. 離乳の進行状況に応じた適切なベビーフードを利用することもできる。
3. 離乳食開始時期を除き、離乳食には食品I、II(1回にいずれか1〜2品)、IIIを組み合わせる。
4. 野菜はなるべく緑黄食野菜を多くする。
5. 乳製品は全脂無糖ヨーグルトを例として示した。
6. 蛋白質性食品は、卵、豆腐、乳製品、魚、肉等を1回に1〜2品使用するが、離乳後期以降は鉄を多く含む食品を加えたり、鉄強化のベビーフードを使用する。
調理用乳製品の代わりに育児用ミルクを使用する等の工夫が望ましい。
7. 離乳初期には固ゆでにした卵の卵黄を用いる。卵アレルギーとして医師の指示のあった場合には、卵以外の蛋白質性食品を代替する。
詳しくは医師と相談する。
8. 豆腐の代わりに離乳中期から納豆、煮豆(つぶし)を用いることができる。
9. 海藻類は適宜用いる。
10. 油脂類は調理の副材料として、バター、マーガリン、植物油を適宜使用する。
11. 塩、砂糖は多すぎないように気をつける。
12. はちみつは乳児ボツリヌス症予防のため満1歳までは使わない。
13. そば、さば、いか、たこ、えび、かに、貝類等は離乳初期・中期には控える。
14. 夏期には水分の補給に配慮する。また、果汁やスープを適宜与える。
改定「離乳の基本」厚生労働省(1995)
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離乳食を作ろう
赤ちゃんの成長に応じて、5段階のメニューを紹介します。
1.離乳食準備期(3〜4か月)
乳汁以外の流動食を与えてみましょう。
例
・果汁:市販の100%ジュースを2倍程度に薄めてあげましょう。
・野菜スープ:キャベツ、人参、白菜、大根などをクタクタに煮て濾します。但し、アクの強い野菜や、インスタントスープは用いないでください。
・味噌汁の上澄み
・重湯
2.離乳初期(5〜6か月)
1日1回程度
ドロドロ状の半固形食を与え、噛む練習を始めましょう。
例
・かゆ:10倍かゆ。米1に対し、水10で炊きましょう。
・リンゴ入りパンかゆ・・・作ってみましょう!
(材料)食パン6g、牛乳40ml、砂糖1g、りんご10g
1. 食パンを小さく切り、牛乳、砂糖で煮ます。
2. ここにりんごを摩り下ろして入れます(薄切りリンゴでもよい)。
3.離乳中期(7〜8か月)
1日2回位
舌で潰せるくらいの固さにします。
この時期の栄養源の主体は乳汁ですが、離乳食の種類を増やし、広範囲の味、舌触り、香りに慣れさせます。
例
・全がゆ(5倍かゆ):米1に対し、水5で炊きます。
・豆腐としらすの煮付け・・・作ってみましょう!
(材料)豆腐30g、煮出し汁20ml、砂糖0.5g、醤油1ml、しらす干し2g
1. 豆腐を細かく切り、しらす干しは熱湯をかけ、ごみなどを除き、細かく切ります。
2. 砂糖、醤油、煮出し汁を加え、ひと煮立ちさせます。
4.離乳後期(9〜11か月)
1日3回程度
歯茎で潰せるくらいの固さにします。
軟らか煮から固形食へ。このころ赤ちゃんの栄養源は離乳食が主体となります。
例
・かゆではなく、軟らかく炊いたご飯
・かぼちゃのそぼろあんかけ・・・作ってみましょう!
(材料)かぼちゃ40g、牛ひき肉7g、だし汁60cc、玉ねぎ5g、砂糖小さじ 1/2、油小さじ 1、醤油小さじ 1/2、砂糖小さじ 1/2、だし汁50cc、醤油小さじ 1/3、片くり粉小さじ 1/3
1. かぼちゃは小さく切り、だし汁と砂糖で軟らかく煮、醤油で味付けをします。
2. 牛ひき肉と玉ネギのみじん切りを油で炒め、だし汁、砂糖、醤油で味付けをし、水とき片くり粉を加え、そぼろあんを作ります。
3. かぼちゃの上にそぼろあんをかけて出来上がり。
5.離乳完了期(12〜15か月)
1日3回程度
形のある食物を噛み潰すことができるようになります。
栄養源は乳汁以外から取るようにし、母乳、育児用ミルクはやめましょう。
例
・オムレツ・・・作ってみましょう!
(材料)卵 30g、塩0.2g、玉ねぎ5g、鶏ひき肉5g、油4g、ケチャップ2g
1. とり肉は2度挽きにします。
2. 玉ねぎはみじん切りにし、油で鶏ひき肉と一緒に炒めます。
3. 卵を割りほぐしたなかに2.を冷ましてから加え、熱したフライパンに油をひいて焼きます。